未経験からMRへの転職|安定した業界で高収入を


典型的なMRの一日
MR認定試験のお話
新薬MRと後発品MR

MRの一日の活動は、大きく分けて
「開業医担当MR」と「病院担当MR」
とで異なります。病院担当MRとは規
模が大きく大勢の患者さんが入院で
きるような施設を備えた医療機関を担
当するMRです。一方の開業医担当
MRとは入院施設がないかあっても僅
かの患者さんしか入院できない診療
所を担当するMRです。


MR認定資格は製薬業界が独自に

定した業界の認定資格です。その資
格を取得するために1年に1度、12月
に行われるのがMR認定試験で、
1997年から「公益財団法人MR認定
センター」が実施しています。2015年
12月に第22回試験が行われ、それま
での平均合格率は80%となっていま
す。但し近年は合格率が低下してお
り、直近の第22回試験では73%でし
た。

MRには取り扱う医療用医薬品によ

て「新薬MR」と「後発品MR」とに分け
られます。新薬MRは先発品と呼ばれ
る、効能効果や安全性において従来
の医薬品とは異なる優位性のある新
たに開発された医薬品を担当するM
Rを指します。後発品MRとは、そうし
た新規に開発された医薬品の特許期
限が切れた後に、同じ成分で作られ
た医薬品(後発医薬品またはジェネリ
ック医薬品と呼ばれます)を担当する
MRを呼びます。

製薬業界とMRという仕事

製薬業界には医薬品を開発・製造する「製薬メーカー」、製薬メーカーから医薬品を仕入れて医療機関に販売する「特約店(卸会社)」があります。また、製薬メーカーの業務はアウトソーシングが進んでいるため、製薬メーカーの業務を受託して実施するアウトソーサーもあります。MR業務を受託するのがCSO(Contract Sales Organization)で、臨床開発業務(治験業務)を受託するのがCRO(Contract Reserch Organization)です。

MRとは医薬情報担当者
MR(Medical Representatives)は医薬情報担当者と呼ばれ、医師の薬物治療には欠かせない存在です。なぜ大学で6年間も勉強し、国家資格まで取得している医療の専門家である医師が、患者さんの治療にMRを必要とするのでしょう。それはひとつには副作用の問題があるからです。医薬品には副作用がつきものです。しかも同じ医薬品でも他の病気を併発しているような場合、副作用の現れ方は異なる場合があります。さらに医薬品の効果や副作用は遺伝的な要因から個人差もあります。そのため、製薬会社には開発段階で様々なケースでのデータが蓄積されており、一人ひとりの患者さんに適切な薬物治療を施すには、MRからそうした情報を得ることが必要となるのです。また、常に新しい医薬品が開発され、発売されます。そうした新しい薬の場合は、副作用情報はもちろん、どのような状態の患者さんに適しているのかなど必要な情報は多くあり、MRはそうした場合にも不可欠の存在となるのです。

MRになる方法
では医師の薬物治療のパートナーとして、的確な情報提供を求められるMRは、やはり医薬品の専門的な勉強をして国家資格である薬剤師の資格を持っていないとなれないのでしょうか。答えはNOです。薬剤師の免許を持っていなくても、薬学部出身でなくてもMRになることはできます。新卒でMRになる場合は、6割以上は文科系学部の出身者だと言われています。もちろんキャリア採用で転職する場合も、文科系学部出身者でもMRになれます。それを可能にしているのが、MR認定資格制度です。これは国家資格ではなく製薬業界独自の資格制度で、新卒でもキャリア採用でもMRとして入社すると数百時間におよぶ基礎教育を受けることで受検資格が得られ、年に1度実施される試験に合格し、その後半年にわたるMRとしての実務を経験することで得られる資格です。しかも資格取得後も5年毎に更新が必要で、そのためには毎年決められた時間数の「継続教育」を受けなければなりません。このような厳しい専門教育が文系学部出身者でも医師の薬物治療パートナーとして活躍できる基礎を支えているのです。

具体的な選考基準
MR独特の選考基準のひとつは、身だしなみや言葉遣いなどのビジネスマナーがたいへん重視される点です。これは高学歴で社会的なステータスも高い「医師」が顧客であるという点からくるものです。たとえば異業種の営業職であればそれほど気にされない男性の髪型はもちろん、ネクタイの結び目が少し緩んでいたり、スーツの上着のボタンが留められていないなどという点もかなりマイナスになります。態度や言葉遣いの面では、面接官の前に用意されているイスに勝手に座ったり、面接中の雑談めいた話の際に思わず砕けた表現を使うといったことも避けなければなりません。異業種の営業職では許容されるようなレベルでも、ビジネスマナーには徹底的に注意して面接に臨むことが必要です。

MRに必要なコミュニケーション能力
MR独特の選考基準として「簡潔なコミュニケーション能力」があります。これはMRの仕事上の特徴に由来するもので、面接で極めて重視される選考基準のひとつです。MRの直接的な顧客であるドクターはたいへん忙しい職業です。MRはそうしたドクターの忙しい仕事の合間をぬって面会し、自社の医薬品をアピールしなければなりません。場合によっては病院の廊下を歩く1〜2分しか時間が貰えないこともあります。そのため、短時間で伝えたいことを的確に伝え、聞き出したいことを話してもらえるようなコミュニケーション能力が不可欠です。そこで面接でも、質問に簡潔かつ的確に答えられるか、自分の実力を簡潔にわかりやすく説明できるか、といった簡潔なコミュニケーション能力が重要になるのです。

MRになるには学習意欲も必要
異業種の営業職からMRになると、先ず必要になるのが「MR認定資格」の取得です。医療の専門家であるドクターと薬剤に関する適切なコミュニケーションができるためには、自社の医薬品に関する製品知識だけでなく、薬剤や医療に関する基礎知識も必要です。そのために1997年に製薬業界が独自に設けた資格制度です。この資格を取得するには1年に1度、12月に実施されるMR認定試験で合格する必要があり、そのために入社後3ヶ月月程度「導入研修」を受講することになります。また、いったん取得したMR認定資格を更新するためには、資格取得後も毎月一定時間数の「継続教育」を受講し続けて専門知識をブラッシュアップしていくことが必要です。さらに仕事の上でも医薬品に関する最新の学会情報などの情報収集も必要ですので、MRは常に勉強し続けることが求められます。MRになるためには、そうした勉強を継続できる意欲が必要であり、面接でもそうした点が評価ポイントとなります。

個人目標に対する営業実績は不可欠
MRも営業職ですので営業実績によるアピールは不可欠です。営業実績は、個人の営業目標数値の達成率と対昨年の伸び率でアピールできるような数値実績が必要です。その他に営業成績が順位で出る場合には、順位もアピール材料になります。また営業成績で社内表彰を受けたような場合もぜひアピール材料にしてください。営業でも個人の目標数値を持たないような業種・業態だと書類選考を通過することが難しくなります。

MR認定制度
MRには医療用医薬品業界が設定した業界独自の認定制度があります。それがMR認定制度です。毎年12月に公益社団法人「MR認定センター」によって実施される「MR認定試験」に合格することによってMr認定資格を得ることができます。国家資格ではありませので、この資格を持っていないとMRとして仕事ができないというわけではありませんが、医療機関によってはこの資格を持っていないとその医療機関内での医薬品のプロモーション活動ができないという制限を設けているところもあります。また、MRとして転職する場合に、MR経験者を対象とした募集ではこの資格を持っていることが応募条件となるため、この資格を持っていないと実質的にはMRとして転職することができないと言えます。

MRの種類
MRには新薬(新たに開発された医薬品で特許を取得しているもの)を扱うMR(新薬MR)と、ジェネリック医薬品(特許による保護期間が経過した新薬と同じ成分・薬効を持つ医薬品)を扱うMR(ジェネリックMR)とに分けられます。ただし、近年は新薬(特に長期収載品と呼ばれる特許保護期間が切れた新薬)もジェネリック医薬品も両方とも扱う会社も増えてきているため、こうした区分に該当しないMRも出てきています。なお、長期収載品とジェネリック医薬品を合わせて「オフパテントドラッグ」と呼ばれる場合もあります。

MRの収入
異業種の営業職と比べてMRは収入の高さにも特徴があります。それがMRへの転職を希望する営業職の方が多いひとつの大きな理由にもなっています。異業種の営業職からMRに転職した最初の年収水準ですが、新薬メーカーの場合で500万円台から、ジェネリック医薬品メーカーの場合は300万円台か400万円台から、CSOのコントラクトMRの場合で400万円台からスタートするのが一般的です。このように同じMRといっても、上記でご説明したようにMRには種類があり、どのMRになるかによって年収水準にも違いがあります。

ェネリック、CSOからメーカーMRへの転職
ジェネリック医薬品メーカーやCSOのコントラクトMRと新薬メーカーのMRの違いは収入だけではありません。ジェネリック医薬品担当のMRはドクターよりも医療機関の事務方や経営サイドのひとが直接的な顧客となります。そのため仕事上で医薬品の専門的な知識はあまり必要とならないのでジェネリック医薬品メーカーはMRの「MR認定資格」取得にあまり積極的ではない会社も多く存在します。こうした会社でジェネリック医薬品担当MRとして経験を積んでもMR認定資格がなければ新薬メーカーへの応募条件を満たせないため転職できません。ジェネリック医薬品メーカーのMRに転職する際にはこの点を理解しておく必要があります。

一方、CSOのコントラクトMRになる場合も事前に理解しておくことが必要な点があります。それはコントラクトMRから再度の転職で製薬メーカーのMRになる場合です。現在、製薬メーカーは100社以上がコントラクトMRを活用しています。そのためCSOと関係の深い製薬メーカーの中には取引先CSOに配慮して、特定のCSOからの応募を受け付けないというメーカーもあります。そうした制限を設けていなくても、ほとんどの製薬メーカーではコントラクトMRが担当しているメーカーの仕事の期限が来る前の応募は認めていなません。通常、コントラクトMRとして担当するメーカーの仕事は2年程度となっています。その期限が過ぎると、次のメーカーをまた2年程度担当することになります。従ってコントラクトMRから製薬メーカーのMRに転職できるタイミングは、担当する仕事の切れ目しかありませんのでそのタイミングで希望するメーカーのMR求人がないと転職のチャンスはまた2年後ということになってしまいます。このタイミングの問題で悩んでいるコントラクトMRの方はかなり多くいらっしゃるのが実態です。ただ、そうはいっても最近では未経験者を正社員MRとしてキャリア採用を実施する製薬メーカーはほとんどなくなっています。そのため未経験者がMRに転職するにはコントラクトMRが最も現実的な方法だと言えます。

ではこうした転職のタイミング問題にコントラクトMRの皆さんはどのように対処しているのでしょうか。一つには早めに転職活動を開始し、紹介会社に自分が転職できるタイミングをしっかりと伝えて希望するタイミングで転職できる求人が出てきたらすぐに教えてもらうことです。しかしそれでも製薬メーカーの求人が少なくなってきている現状ではちょうどよいタイミングでメーカーのMR募集があるとは限りません。そのため最も確実なメーカーへの転職方法は担当先メーカーから「転籍」のオファーをもらえるように努力することです。転籍のオファーは実績が高いだけでなく、担当先メーカーの組織に溶け込んで、メーカーの一員として周囲とうまくやっていけるという印象を与えることが重要です。但し、メーカーによって転籍オファーを出しやすい会社とあまり出さない会社がありますので、2回目の担当先が決まる際には、その点を見極めることも重要です。